混合性結合組織病の診断と治療
混合性結合組織病の診断も総合的に行われます。また、混合性結合組織病は、ステロイド薬の反応がもっともよく出ます。混合性結合組織病の診断と治療について紹介します。
混合性結合組織痛の診断も総合的に行われます。とくに
レイノー現象と手指のソーセージ様腫脹をもち、抗RNP抗体が陽性の場合、この病気の確率が高くなります。
この 抗RNP抗体はSLEなどでも出現することがありますが、SLEでは 抗DNA抗体、 抗Sm抗体など多様な自己抗体が出現するのに対して、混合性結合組織病では抗RNP抗体だけが陽性という特徴があります。なお、この抗体は診断には役に立ちますが、病気の活動性とは関係がありません。
この 抗RNP抗体はSLEなどでも出現することがありますが、SLEでは 抗DNA抗体、 抗Sm抗体など多様な自己抗体が出現するのに対して、混合性結合組織病では抗RNP抗体だけが陽性という特徴があります。なお、この抗体は診断には役に立ちますが、病気の活動性とは関係がありません。
治療はステロイド薬が中心
この病気は、膠原病のなかでステロイド薬が最もよく効く病気です。少量から中等量のステロイド薬で多くの症状は改善しますし、減量も比較的容易です。基本的には、それぞれの患者さんの病態を改善するために必要な、薬の種類と量を見計らいながら、治療していきます。ステロイド薬の使い方は、ほかの膠原病の場合と、だいたいのところは変わりません。
●レイノー症状はよくあらわれますが、根本的に改善する薬はないため、強皮症と同じような薬を使って経過をみます(血流改善薬など)。軽症の場合は、薬を使わず、保温に気を配り、冷たい水などにふれないようにする工夫が、ここでも大切です。
●関節炎の多くはSLEに出るものとよく似た、非びらん性のもので、非ステロイド系抗炎症薬のみ、あるいは少量のステロイド薬でコントロールできます。ただし、発熱やリンパ節のはれなどを伴う炎症性の関節炎には、ステロイド薬を使います。量は、個々の状態に応じます。
●混合性結合組織病で重大な問題になるのは、肺高血圧症や間質性肺炎(肺腺維症)があらわれたときです。肺高血圧症は、混合性結合組織病にとっては、もっとも大きな課題です。進行するとステロイド薬にまったく反応せず、心臓の機能が低下して心不全の状態にもなります。血管拡張薬などで悪化を防ぎますが、正常に戻す治療法が見つかっていないのが現状です。
同質性肺炎では、急速進行性のときステロイドパルス療法が必要になることがあります。
同質性肺炎では、急速進行性のときステロイドパルス療法が必要になることがあります。
肺高血圧症は最大の難治性病態
この病気では、肺高血圧症を合併した場合等を除いて、腎臓など生命にとって必要不可欠な臓器に病変が及びにくいため、生命予後は良好なことがほとんどです。
肺高血圧症が進行した場合、最終的には在宅酸素療法が必要になることも少なくありません。したがって、肺高血圧症は混合性結合組織病のなかの最大の難治性病態であるといえるでしょう。