ウェゲナー肉芽腫症の症状と治療
ウェゲナー肉芽腫症は多発動脈炎から分離独立した病気です。多発動脈炎との違いと、ウェゲナー肉芽腫症の症状と治療について紹介していきます。
特異的な抗体が特徴
ウェゲナー肉芽腫症として最初に報告された症例に、この病気の特徴がよく出ています。その患者は、蓄膿症で発症し、腎不全で死亡しました。
抗PR3抗体(血清c-ANCA)という特異的な抗体があり、陽性率は90%。血管の外にあらわれる肉芽腫も、特徴的なものです。
発病に男女の差はなく、40~60代の人に起こりやすいのですが、若い人でも発病します。患者数は少なく、日本では約850人ほどです(特定疾患申請数一2000年)。
発病に男女の差はなく、40~60代の人に起こりやすいのですが、若い人でも発病します。患者数は少なく、日本では約850人ほどです(特定疾患申請数一2000年)。
鼻の症状
病気の始まりは、頭やくび、上気道(鼻腔・副鼻腔から咽頭まで)に肉芽腫ないし血管炎が起こり、それによる鼻汁や鼻血、鼻づまり、鼻の痛み、鼻の変形(鞍鼻)、蓄膿症などの症状が出ます。そのため、耳鼻科を受診する人もいるようです。
目の症状
目の症状(上強膜/角膜/結膜/虹彩炎、眼球圧迫)や、耳の症状(耳鳴り、難聴、耳の痛み、中耳炎など)も出てきます。こういったあらわれ方は、独特なものです。
病変はしだいに、肺や腎臓にも及びますが、ほかの血管炎にみられる皮膚や末梢神経の障害は、ほとんどありません。
病変はしだいに、肺や腎臓にも及びますが、ほかの血管炎にみられる皮膚や末梢神経の障害は、ほとんどありません。
ステロイド薬と免疫抑制薬とを併用
ウェゲナー肉芽腫症は、おかされる臓器は比較的限られますが(鼻・咽頭・喉頭、肺、腎)、進行するとたちが悪く、早期に診断して治療することが重要になります。治療は、多発動脈炎と同じく、ステロイド薬(プレドニン)と免疫抑制薬(エンドキサン)を併用します。