膠原病

目・口内・鼻などの症状


膠原病では、目、ロ、鼻などにも症状があらわれることがあります。主に初期にあらわれるものを、病気別にみていきます。

全身性エリテマトーデス

口腔


口の中に、潰瘍を伴った口内炎が起こることがあります。あまり痛まないので、気づかないことが多いのですが、食べたり、飲み込んだりが痛みで困難になって、気づくこともあります。硬口蓋(前歯の後ろの天井部分)に多く、ほおの内側や、歯肉にもみられます。ほかの症状に先立ってあらわれることもあり、診断のヒントになります。

鼻咽喉


初期に、鼻の粘膜に潰瘍が出ることがあります。


重要な眼病変として、炎症が網膜に及ぶ場合があります。視力障害(視力の低下)にも至りますので、治療を急がなければなりません。この網膜炎は、ときには初発症状としてあらわれることがあります。

シェーグレン症候群

口腔


唾液を出す組織が炎症を起こし、唾液の分泌が悪くなります。そのためロが渇き、ひんばんに水を飲むようになります。また、虫歯が起こりやすくなります。


涙を出す分泌腺が炎症を起こし、涙の分泌量が低下します。そのため角膜や結膜に炎症が出て、日がごろごろする、といったことが起こります。

●ベーチェット病

口腔


初発症状として、ほとんどの人に、潰瘍を伴った口内炎があらわれます。全身性エリテマトーデスの口内炎は痛みがないのですが、ベーチェット病の口内炎は痛みを伴うという違いがあります。


まぶしさを感じたり、急激な視力低下があらわれることがあります。前眼部(角膜のすぐ後ろ)のみに炎症が起こる場合、眼底の病変(網膜障害)を伴う場合などがあり、それによっていろいろな症状があらわれます。たとえば目の充血です。目の隅の充血(血管が見える)は、疲れ目ですから心配ありません。しかし瞳の周囲の充血は、虹彩炎といって、眼科でみてもらう必要があります。ベーチェット病の症状の可能性があるからです。

●強皮症

口腔


唇が小さくなり、口が大きく開かないようになります。また、舌小帯が短くなり、舌が出しにくくなったり、舌の萎縮もみられます。

混合性結合組織病

全身性エリテマトーデスや強皮症と同じような症状が起こる場合があります。