膠原病

膠原病の症状・発熱


37度台の微熱が続く症状は、多くの膠原病でみられます。また、高熱で発病する膠原病もあります。ただし発熱は、感染症や血液疾患などほかの病気で起こる場合も多く、検査が必要です。

微熱が続くことが多い

膠原病・微熱
発熱は、微熱の形をとるものから、熱が平熱と高熱の間をいったりきたりする弛張熱の形をとるものまでさまざまですが、多くの場合は微熱です。それではいったい体温が何度あれば微熱というのでしょうか?
一般には、腋の下で測定した場合には37~37.9度を微熱としています。しかし、女性には性周期があり、生理がくる前の約2週間に及ぶ高温相では37度を超えるので、日常診療では37.5~37.9度を微熱と考えています。また、体温には0.5度くらいの日内変動があり、午前6時ころが最低で、午後4時ころに最高となります。したがって、連日体温を測る必要がある場合には、その時間帯を一定にしたほうがよいでしょう。
体温は腋の下で測るのが一般的ですが、ときに口の中や直腸でも測ります。口の中では約0.3度、直腸では約1度高いことも知っておいてください。

膠原病の発熱の症状

膠原病・発熱
微熱と同時に、患者さんは「疲れやすい」(昇疲労感)、「からだがだるい」(全身倦怠感) などを訴えることが多くなります。しかし、微熱はあるものの、見た目には元気で重症にはみえないのがふつうです。感染症の場合であれば、熱が出るとぐったりしますし、しかも熱が続くといかにも重症だと感じます。
膠原病の発熱は午前中に出ることが少なくありません。これに対して、細菌感染の場合は午後から夕方にかけて発熱するのがつうです。
膠原病では「さむけ (悪寒)」を伴うことはありますが、「ふるえ(戦慄)」を伴うことはほとんどありません。これは、熱とともに「ふるえ」が出る細菌感染とは対照的です。
膠原病でも、ときに高い熱が出ることがあります。38度以上の原因不明の発熱が3週間以上持続する場合、医学的にこれを不明熱とよびます。不明熱の3大原因というと、感染症、悪性腫瘍、そして膠原病です。最も多いのが感染症、次いで悪性腫瘍、そして膠原病の順になっています。したがって、膠原病の診断をするためには、感染症と悪性腫瘍の疑いを取り除くことから始めます。

●高熱が出る場合


高熱で発病しやすいのは、スチル病です 子どもに起こる小児スチル病では、発熱時にも消耗が少なく、本人はしばしば元気に見えます。スチル病は大人でも起こります(成人スチル病)ふつう、大人は子どもより発熱には弱く、体力が低下しますが、成人スチル病では発熱時にも元気なことが特徴です。

●発熱と解熱を繰り返す場合

若い女性に多い高安動脈炎全身性エリテマトーデスでは、微熱が出たり自然に解熱したり、を繰り返します。いずれにしても週単位、もしくは月単位で発熱が続いても、膠原病とは限りません感染症(呼吸器や尿路感染、結核、細菌性心内膜炎など)や悪性腫
瘍など、ほかの病気の可能性も高いです。
そのため、発熱が膠原病によるものかどうかを診断するには、抗核抗体などほかのデータを調べる必要があります。原因不明の発熱で医師を受診する際は、できれば体温を測って記録したものを持参するといいでしょう。