膠原病の筋肉の症状(筋肉痛・筋力低下)
筋肉痛などは日常的によく起こるので、つい見過ごしがちです。しかし筋炎が、じわじわ進んでいることもあります。
筋肉の症状
筋肉の炎症が長く続くと、筋肉の組織が壊れるために筋力が落ちてきます。一般には上腕部や大腿部などの、体幹に近い部分の筋肉が損傷するので、「布団が持ち上げにくい」とか「トイレでしゃがむと立ち上がりにくい」などの症状が出てきます。
多発性筋炎は、くび、肩、腕、太もも、腰など、体の中心に近い部分の筋肉(近位筋)に障害が起こる病気で、よくみられるのは筋力の衷えによる「脱力」で、左右対称にあらわれます。小児に起きた場合は、まず 筋ジストロフィーを考えますが、皮疹があれば皮 膚筋炎の可能性を考えます。
筋力の衰えが表面に出ない「易疲労」
筋力の衰えがはっきり表面に出ないで、疲れやすくなる「易疲労」の形をとる場合があります。それが筋力の衰えのためと気づかず、疲れやすいのは運動不足のせいと思ってスポーツをすると、立ち上がれないほどの脱力を、急激に発症するケースがあります。多
発性筋炎は、本来はじわじわと進み、急に発病することはありません。
物が飲み込みにくくなったり、呼吸が困難になる
筋炎が咽頭筋や胸郭呼吸筋などにも及ぶケースがあります。こうなると、物が飲み込みにくくなったり、呼吸が困難になることがあります。
「筋肉痛」を伴うことも…
多発性筋炎・皮膚筋炎では、「筋肉痛」を伴うこともあります。ほかにも筋肉痛が起こる膠原病には、リウマチ性多発筋痛症、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、アレルギー性肉芽腫性血管炎などがあります。なお皮膚筋炎は、多発性筋炎の症状に皮膚症状を伴う病気です。
筋炎が気になった場合
①体重の変化をみてみましょう。筋肉の障害が進むと、数キログラムも体重が落ちることがあります。
②筋炎では立ちしゃがみが難しくなります。立っている姿勢から、しゃがみ、30秒後に立ち上がる動作を、3回繰り返してみます。どこかにつかまることや、手の補助がなくても、3回できれば強い障害はないといえます。