膠原病

膠原病の症状・関節の異変


関節痛は、多くの膠原病に共通する症状で、主に初期にあらわれます。もっとも多く出るのは関節リウマチですが、それ以外の膠原病でも、腫れや朝のこわばりをみることがあります。

関節痛

膠原病では、患者さんはよく 「ふしぶしが痛い」と訴えます。膠原病がリウマチ性疾患に分類されるゆえんです。関節痛とは患者さんが訴える自覚症状です。実は、痛みをおこしている場所は関節の場合もありますし、筋肉や腱だったりする場合もあります。運動すると痛む場合と、じっとしていても痛む場合があります。

関節炎

関節リウマチ(RA)
これに対して関節炎は、関節が痛むだけではなく、腫れるのが特徴です。急性期には関節が熱をもち、赤く腫れあがることもあります。慢性期には、関節は腫れていても、熱をもったり赤くなることはありませ膠原病では、関節痛や関節炎がからだのあちらこちらにおこることもめずらしくありません。
とくに 関節リウマチ (RA)の場合には、関節痛だけではなく関節炎がおこり、その関節炎は多発性、対称性であるのが特徴です。関節リウマチの場合、異変は手指など比較的小さな関節から始まります。最初のうち、痛みは激しくなく、じっとしていると痛みません。物を持ったり、動かしたり、ねじるような動作をしたときに、漠然とした痛みを感じます。押したり圧迫するときに感じる痛み(圧痛)も特徴で、熱感を伴うこともあります。
また、ときに関節炎はあちこちに移る(移動性)のも特徴です。そして、患者さんは関節炎とともに「 からだのこわばり」を訴えます。この「こわばり」は朝の起きぬけに強いため、「朝のこわばり」ともよばれています。多発性で対称性の関節炎があり、しかも「朝のこわばり」があったらまず関節リウマチを疑う必要があります。

腱鞘炎

腱鞘炎
「手がこわばる」、「指が曲がりにくい」などの症状がある場合には、腱鞘炎がおこっている場合もあります。腱とは骨に筋肉が付着する部分です。腱を包んでいるのが腱鞘ですが、ここに炎症がおこると腱鞘が腫れるために、腱の動きがスムーズにいかなくなります。このため、「指が曲がりにくい」、「強く曲げると、突然ぱちんと曲がる」(ばね指)などの症状をおこします。
腱鞘炎がおこると、その部分の腱を押すと痛みがあったり、腫れたりしているのですぐに診断することができます。膠原病で腱鞘炎を最もおこしやすい部位は手のひら、手首、ひじなどです。

関節症状が起こる病気

マークは膠原病グループの病気

急に発症する関節炎


ベーチェット病の関節炎*/リウマチ性多発筋病症*/スチル病*/回帰性リウマチ*/好酸球性滑膜炎*(痛みなし)/リウマチ熟/痛風/偽痛風/反応性関節炎(ライター症候群を含む)/ウイルス感染症(バルポウイルスB19、風疹)/感染性関節炎など

慢性的に発症する関節炎・関節痛


関節リウマチ*/若年性関節リウマチとスチル病*/全身性エリテマトーデス*/多発性筋炎*/強皮症*/混合性結合組織病*/血管炎症候群*/シェーグレン症候群*/強直性脊椎炎/乾癬性関節炎/未分類脊椎関節炎/炎症性腸疾患/サルコイドーシス/結核性滑膜炎/ウイルス感染症(肝炎を含む)/ライム病など

炎症のない(または炎症が一時期の)慢性的な関節変形


変形性関節症/ジャクー関節症(骨破壊なし)/シャルコー関節(炎症なし)